半可通のスターウォーズファンが「フォースの覚醒」を観て考えた事──第二回 旧作の踏襲
あらすじ
半可通の
STAR
WARS
ファンが「フォースの覚醒」を観て考えた事
Issue V
THE ENTIRE STORY'S BACK
厄介なファンにとって試練の時だった。
新三部作から10年が経ちながらも
ディズニーはルーカス・フィルムを買収し、
スターウォーズの完全新作の製作を余儀なくさせた。
恐るべき現代の技術を用いた
J・J・エイブラムス率いる新製作陣は
実寸大のミレニアム・ファルコンを用い
新たな映画を撮影した。
スターウォーズに執念を燃やす
風狂殺人倶楽部の石井は
戦々恐々としつつ劇場へと向かい、
フォースの覚醒を目の当たりにするのであった……
第一回:
そして覚醒へ
半可通のスターウォーズファンを自認する石井が、「フォースの覚醒」について語るフリをして旧三部作の話をしていこうというこの連載、とうとう本編に入ろうと思います。
さて、もう何日か忘れましたけど、2015年の12月中頃、遂にエピソード7「フォースの覚醒」が公開されてお前はどうしたのかという話ですが、修論やら何やらに追われていたので、封切りすぐには観にいけず、帰省してから旧三部作を見直した後、家族と一緒に観に行きました。 12月24日の木曜日でした。今こうして書いて気付きましたけど、これクリスマス・イヴですね。
そのクリスマス・イヴに石井が何を観、何を感じたのか──だいたい時系列に沿って「フォースの覚醒」の感想を語っていきましょうか。
免責事項:以下、本編とエピソード4のおおまかな展開を割っています。御注意
砂漠とインペリアル・スター・デストロイヤー
という訳で、ドキドキしながら劇場へ。
3Dメガネとかいうのを掛けるのが初めてだったので予告をみながらおおすげえ飛び出してる!と思ったり、ルフィの煩い前説にキレそうになるのを我慢してやり過すと、ウォールトディズニーのロゴがド〜ンと映るイキナリLucas Filmのロゴが映る*1。
ちゃんと心構えが出来ていたので、 ちゃんと脳内では20世紀フォックスのロゴに差し交わりが挿入され、やや早足気味に「デンデン!デンデン!デ〜ン、デンデン!」とフォックスのファンファーレが掛かります。
さあこい!
でも、もうね……やっぱりこう、スクリーンに「A long time ago in a galaxy far, far away...」って表示されたら、もうどうでもよくなっちゃう。 テーンテケテーン!ってオープニングテーマが流れてさ……こうダーーーッと……黒字に黄色の英文がダーッと流れるだけで……もう……もうあたしゃ泣きそうですよ……帰って来たんだ……ただいま……って感じですよ……。
もちろん「いやいや、騙されちゃ駄目だ……まだ始まってすらないぞ……」と気を持ち直しますよ。 これはお約束という奴で、こうなると泣いてしまうというのは人類のDNAに有史以前から刻み込まれた条件反射ですから、騙されてはいけない。
……と思い直して本編が始まるってえと、砂漠の星・ジャクーが映る。 おっ、初っ端から確実にファンを押さえに来てるな、でも騙されないぞ、と思う訳です。
というのも、スターウォーズの新・旧三部作というのは、アナキン/ルーク・スカイウォーカー父子の家族史を描いた叙事詩なんですが、彼等の出身は砂漠の星タトゥイーンで、エピソード4も1も砂漠から主人公の物語が始まるからなんですね*2。 まあでも、これくらいはね。誰がやっても同じことをしますよ。
虐殺が行われていると思ったら、ヘンな真っ黒いマスクをした変な声の男が出て来る。 しかもこいつがフォースを使う。おっ!こいつが新しいダース・ヴェイダーなのかな? と思って観ていると、どうも何だか雑兵のストーム・トルーパーの視点で話が進んでるっぽいぞという感じになっていって、そのままなんか脱走しちゃう。 おお、そう来たか!思えば、旧三部作の主人公、ルーク・スカイウォーカーもEp.4のタトゥイーンで俺ら東京さ行くだモードの時は帝国の士官学校に入りたい、みたいなこと言ってたし、それを今回は思い切って帝国(の残党)の元構成員から主役を出すのか、考えたな〜とか思う一方で、んでこいつどうして脱走したんだ?と首を捻っている。
とかね、そういう小賢しい考えはまたジャクーのシーンに戻ると吹っ飛んじゃう。
インペリアル・スター・デストロイヤーが砂漠に墜ちてる!!!!!!!!!!!!
やばい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
……えっと、スター・デストロイヤーっていうのは、旧三部作で帝国軍が使う宇宙戦艦で、スルメみたいな形した三角形で白いメカメカしい奴です。 デス・スターとは違う奴です。デス・スターは丸くて衛星型の移動式超兵器要塞です。
旧三部作では戦闘シーンでこれでもかと出て来た型の戦艦で、デス・スターに継ぐ帝国軍の象徴的な存在になってるんですよ。
それが!名も知れぬ(ジャクーっていってたけど)!砂漠の星に落下している*3!!!!
これが浪漫と言わずして何ですか。テンション上がりまくりですよ!
で、その砂漠に墜ちたそのスター・デストロイヤーの残骸からメカパーツを拾って暮らしてる女
ミレニアム・ファルコンは旧三部作で中心的な役割を果した密輸船なんですけど、簡単にいうと滅茶苦茶早いし強くて船長がいいやつなので、戦闘で大活躍したんですね。 更に、エピソード4で砂漠の星タトゥイーンを飛び出すルークとオビ=ワンが雇って乗り込んだ船が、このミレニアム・ファルコンなんです。 もうこれは完全に狙い澄ましてますけど、ここまで狙い澄まされちゃったらもう狂喜乱舞するしかない訳ですよ!
因みに、エピソード4だとルークは一度オビ=ワンに同行するのを断るんですけど、元々宇宙いきたかった上に、育ての親の叔父夫妻を帝国軍に殺されて退路を断たれた上で、もう行くしかない!といって飛び出す形なんですね。 それに対してエピソード7ではレイは何となくかわいくて丸いドロイドを拾ったら変な男がついてきて変な奴等に命を狙われたのでそこら辺にたまたまあったスゴイ級の密輸船で逃げ出す、という訳で、ナウシカ的な活動的流され系ヒロイン像になっているのが対照的ですね。
そうそう、そうして『覚醒』では出て行く時に、レイは物凄い間隙を縫ったスレスレのスターシップ・チェイス(?)をして追手を振り切る訳ですが、このチェイスもエピソード4で小惑星帯っぽい所でミレニアム・ファルコンが帝国軍と繰り広げたチェイスシーンを彷彿とさせて、本当に……この……!この……!憎い真似してくれるぜ……!という感じですね!
かわいいぞカイロ・レン
砂漠のど真ん中に墜ちた旧帝国主力戦艦のただ中を、旧反乱同盟軍の象徴的存在であるミレニアム・ファルコンで駆け抜けていくというもうご馳走さまです!!といいたくなるようなシーンを経て主人公たちが銀河に脱出した一方、ファースト・オーダーでは「なんか、逃げられちゃったんですけど……」という報告を受けてキレるカイロ・レン。 序盤からなんか黒光りするマスク被って変な声してるしダースー・黒光り・ヴェイダーの後継みたいな何かなのかな? なんて思って見てたので、旧三部作のファンとしてはさてここでキレるとどうなる……!?と期待がいや増す訳です。
何しろ、ダース・ヴェイダーときたらもうキレ芸が一級品な訳です。 たとえばエピソード4ではデス・スターでの会議で「ハハッ フォースとか(笑)」みたいな発言をした将校を、無言のうちにフォースを使って手も触れずに窒息させちゃったりする。
これはフォース・グリップと呼ばれていて、ヴェイダーくんのお気に入りなんですね。 この時点では、デス・スターの最高責任者であるグランドモフ・ターキンに「まあまあその辺りにしときなさい」と言われて手を引っ込めるんですけど、この後も失敗をしでかした将校を遠隔通信越しに締め殺したり、失敗を報告したナンチャラ提督の心臓をめちゃめちゃにして再起不能にした挙句、側に控えていた副官的な人間を「提督」呼びしてナチュラルに解任任官をその場でしたりとやりたい放題。 静かにキレる分ものすごく凄みがあって、怒らせると怖いよ……悪い奴だよこいつ……みたいな印象を残すザ・悪役な訳です。
ではそのダース・ヴェイダーの後を襲うキャラと思しきレンきゅんがどうしたのかといえば……ライト・セーバーを振り回して機器にアタる!
キレる子供かよ!船墜ちるぞ!!!
人、殺さないんかい!!!
カワイイかよ!!!!
そのまま自分の部屋に戻るや、何処からともなく溶解したダース・ヴェイダーのマスクを取り出して言う。 「お爺ちゃん……許して……また光の誘惑に負けそうになっちゃったよ……」
おいおいおい、グランパコンプレックスかよ!?〈光の誘惑〉ってなんかこう、一周まわってすごいな!? とまあ、この時点でおおよそ「あ、こいつ残念なかわいい中二患者だ」という事に察しが付く訳ですね。
その後たたみかけるように「なんで脱出できたんだ」「何か女がいて……」「女だと!?!?!?」と、今度は機械じゃなくて人にアタる。女が絡むと人にアタっちゃうレンきゅん。やっぱり完全に中学生男子だ……。
ならず者の帰還
んで、ジャクーを脱出したレイとフィン御一行は安心する間も無く、謎の宇宙戦に
「チューイ、我が家だ」
「チューイ、我が家だ」
「チューイ、我が家だ」
何を隠そう、ここで「我が家」帰ってきたのは旧三部作でミレニアム・ファルコンの船長を務めていたハン・ソロとその毛むくじゃらの相棒、チューバッカ(愛称:チューイ)その人たちなんですよ! このハン・ソロというのは、本来は銀河の凄腕運び屋だった*4のにエピソード4にルークとオビ=ワンに雇われたのが運の尽き、最初は爬虫類みたいな暗黒街のボスに借金を返す金欲しさで同道していただけだったのに、何の因果かミレニアム・ファルコンを駆って反乱同盟軍を勝利に導き最終的に将軍になっちゃうわ、返済を忘れているうちにカーボン人形にされちゃうわしているうちに、ヒロインのレイア姫と結婚しちゃう、というもうはちゃめちゃな活躍をした荒くれ者、ならず者なんですね。
その旧三部作の中心人物が、その数十年前の笑顔と変わらぬニヤッとした顔で、ミレニアム・ファルコンに帰ってきちゃうんですよ!!!
これはね、もう旧三部作を観ていた人間だったら、喜ぶなという方が無茶ってもんですよ、ええ。 しかもこのシーン、もっと細かくエピソード4を意識して創られているんですね。 というのも、エピソード4でソロたちが小惑星帯*5を切り抜けた後、ミレニアム・ファルコンは帝国のデス・スターに牽引ビームで拿捕され、ソロたちは床下に隠れるんですよ! だから、「牽引ビームにつかまった!」「床下に隠れよう!」という段階で、もう旧作のファンはもうニヤニヤが止まらない訳です。 んだもんでそこにファースト・オーダーがやってくるにちがいない……と見せ掛けてのならず者ハン・ソロの帰還!!
これはもう、あざといですよね。あざといけど、もうノせられざるを得ない訳です。
エピソード7「フォースの覚醒」だけでも十分ハン・ソロはカッコイイですけど、旧三部作をみればもうそのお調子者っぷり、かっこよさに惚れざるを得ないと思うので、本作でソロいいな〜と思った人は、ソロを味わうためだけにでも旧三部作を観るべきですよ、ええ。
……で、ここからがまた旧作への目配せで畳み掛けるんですねえ。 「ルーク・スカイウォーカー?神話の登場人物でしょ?」と反応するレイにハン・ソロが答えます。 「信じられないよな、宇宙を満たす神秘的な力だなんて……でも、全て真実だ。フォースは、ある」と。
これはね、エピソード4のの裏返しなんです。 エピソード4では、タトゥイーンを脱出したミレニアム・ファルコンの中で、最後のジェダイ騎士であるオビ=ワンがルークにフォースの稽古を付けてるんですよ。 この稽古が、ドローンがランダムに撃ってくるビーム攻撃を目隠し状態でライトセーバーで弾き返すという殆んど気違いめいたもので、これを眺めていたハン・ソロが呆れながら言うんです。 「万物を包みこむフォースだなんて、俺は宇宙中で色んな物を見てきたけど信じないね」って。
そしてその三十年後に、そのハン・ソロ自身の口から「フォースはある」って言わせる訳ですよ!あざといな〜〜〜。
一瞬で滅ぶ新共和国と〈スターキラー基地〉
んで、カンジ・クラブとかいうなんかなんだそれはネオサイタマいい加減にしろよみたいな名前の東洋系の顔立ちの銀河ギャングとかとやりあった後、ソロたちは*6ミレニアム・ファルコンに乗り込んで危機を脱して、旧友のマズ・カナダが酒場を営む星・タコダナに向かう訳です。 こうして行き掛かり上、ハン・ソロは失踪したルーク・スカイウォーカーの地図を持ったBB-8を、ファースト・オーダーに対する抵抗勢力・レジスタンスの秘密基地に届ける手助けをすることになるわけです。
この展開も、実はエピソード4をけっこう立体的になぞっているんですよ。 表面的な面では、行きがかり上手助けをする事になる、というのは、勿論エピソード4でハン・ソロが事態に巻き込まれていく過程そのものです。 更に、「抵抗勢力が入手した重要情報を届ける」という依頼を受けるというこの役割は、エピソード4でオビ=ワンが担っていたものです。 そう思って考えてみれば、「フォースはあるぞ」という発言をはじめとした、帝国軍 VS 反乱同盟軍という旧時代の語り手としての役割は、正にオビ=ワンそのものなんですよね。
それでソロ一行はマズ・カナダの酒場を訪れる訳ですが、この酒場の頽廃的な雰囲気! 銀河中の種族が集まった坩堝とでもいうべきこの光景は、エピソード4や1で登場する有象無象が跋扈する、タトゥイーンの繁華街、モス・アイズリーの酒場の雰囲気そのものなんですねぇ。
それで、まあここでフィンは実はレジスタンスどころかファースト・オーダーの脱走兵だったことがレイにもバレて、愁嘆場が演じられる訳ですが、なんだかこいつら出会ってまだ一日も経ってないんじゃないかと思うんですけど、「俺と一緒に逃げよう」なんてフィンちょっと惚れるの早すぎでは……?という感じもする。
そんでショックを受けたレイがなんかトラウマっぽい声に惹かれてフラフラ歩いていたらルークのライト・セーバーを発見してなんかヤバめのヴィジョンを観た挙句戦いへと誘うマズに「いや、人待たないといけないんで帰ります」って急に故郷を思い出している一方で、場面は急にファースト・オーダーの集会(?)になる訳です。 「中立と称しレジスタンスを支援する薄汚い新共和国に鉄槌を!今日が新共和国最後の日となるのだ!」と声を張り上げて演説をするハックス将軍、え、なにこれ凄くかっこいい……。 正直、旧三部作での帝国軍将校って、ダース・ヴェイダーに締め殺されるためだけに存在してたような所があるんです(さっきもちょっと触れたグランドモフ・ターキンだけは別ですけど)。 そこへ来て、このハックスの万感の思いを籠めた、中二病大歓喜な演説!これは多分、エピソード3の「秩序のために共和国解体して帝国作るよ〜」っていう皇帝パルパティーンの決定的な演説に匹敵するか、それを越える爽快さだと思うんです。 スターウォーズというシリーズは、めまぐるしい戦いの中で人々のドラマを描いていく所があって、演説とかはそこまで多くないですし、新三部作では「ぱわ〜〜〜」とか妙に決め台詞が安かったので、こういうど真ん中かっこいい悪の演説みたいなのは新鮮でいいですね。 フォースの使い手ではないですし、ダース・ヴェイダーが担っていた「悪役の格好良さ」は、ハックスが代わりに担っているような感じがします。無論、ヴェイダーの静かな格好良とはちょっと種類が違って、ハックスのものは躍動的な中二病格好良さとでもいうべきものですが。 なんだろう、レンきゅんの中二病があとから思い返したら顔を覆って一時間くらい喋れない感じの残念な中二病だとすると、ハックスのは同窓会で話題にされてちょっと恥ずかしいけどそれでも何処か誇らしいような、そんな中二病という感じがします。
ただ、そのハックスが「バ〜ン!」と演説を終えた直後、無数のストーム・トルーパーが一斉に「「「ハイル・ヒトラー!」」」とでもいうかのように一斉にナチス式敬礼するのはちょっと狙いすぎかなあという気もしました。 ……いや、旧三部作の時代から、ルックスの面でも恐怖政治や人種政策の面でも帝国は明らかにナチスだし、エピソード3でもシス卿のダース・ティラナスのポッドが起動時に "Willkommen Sie" ってドイツ語で挨拶してたりするんですけど、あくまでモチーフだったのが、あそこまで露骨なナチスごっこされると、うーん、と感じてしまいました。
そして……今回、このファースト・オーダーの総決起集会があった超兵器〈スター・キラー基地〉。 惑星の表面に半球状のへこみがあって一見して旧三部作の帝国を象徴する超兵器、デス・スターを彷彿とさせます。 といっても、デス・スターは移動式の衛星型超兵器要塞であったのに対して、このスター・キラー基地は恒星のエネルギーを吸い尽せるように惑星一個を丸々改造したという豪快な造り。 しかも、デス・スターのように標的の近くに移動してからビームを発射するのではなく、撃ったビームがかってにハイパースペースを経由して超遠隔地から標的に届くという、殆んどチートといっていい性能です。
更に、エピソード4でデス・スターが破壊したのは、レイア姫の出身惑星であるオルデラン一個だけだった*7のに対して、今回は新共和国の新しい首都周辺の星三つくらい一気に破壊してます。 いやぁしかし、こうやってほとんど登場する間もなく新共和国が滅亡しちゃうのは、爽快ではありますけど、結構ショッキングですよねえ……。
それにしても、スターウォーズの舞台となる銀河は、エピソード1以前まで一千年近くにわたって平和が続いていたんですけど、再び築かれた平和を一瞬で葬り去る事の出来る兵器が旧三部作以来こうもポカスカと発明されまくると、むしろそれまでよく千年保ったなあという感じがします。
レイ以上に流されるフィン、懐しい戦闘シーン
そんなこんなで一瞬で新共和国が滅ぶ間もなく、内通者の報を受けてファースト・オーダーがタコダナを急襲、そこにレジスタンスが駆け付けて大々的に戦闘が始まる。 ここでも、旧三部作から活躍する帝国の丸っこいタイ・ファイターや、反乱同盟軍の鶴丸Xウィングといったメカが、装いも新たに今度はファースト・オーダーとレジスタンスそれぞれの戦闘機として登場してもう胸熱です。
それで、マズの誘いを退けておうちかえる〜と駆け出したレイに合流してライト・セーバーを届けるべく、フィンと、後ろから支えるハン・ソロ&チューイの戦いがはじまる訳です。
しかし、フィンもついさっきまで「こんないつファースト・オーダーがくるかもわからない場所に居られるか!!俺は
んでまあ、フィンは慣れないライト・セーバーを振り回して頑張って闘う訳ですが、彼はジェダイではないし、フォース感応者でもないので、うまく使いこなせない*8。 そうこうする内に、レイはカイロ・レンきゅんに捕まってしまう。 で、心の中覗いて「お、こいつルーク・スカイウォーカーの地図見てんじゃん!やったね!BB-8はいいや」つってレイをスター・キラー基地に連れ去って、急襲部隊にも撤収命令を出しちゃう。 ただ、もう結構この時点でレンきゅんがそういうアレな感じだという事を知っているので、あーあ、これはフラグっぽいぞ……とニヤニヤしちゃいますね。
そうしてファースト・オーダーが撤収すると、最後に下りてきたレジスタンスの船から、とうとうレイア姫が降りてきて、ハン・ソロと再会する……という非常に何とも感慨深いシーンが演じられる訳です。
ここで、更に新旧三部作通して登場した*9金ぴかな
このシーンを見て思ったのが、「レイア姫、綺麗な歳の取り方をしたなあ……」という事だったんですよね。 まあ、そもそも良くネタにされる「レイア姫、ヒロインの癖に綺麗じゃない問題」っていうのがあるんですけど、そういう事を云い出す人間は生まれた時から根本的に考え違いをしているので胎児から人生やり直したほうがいいと思うんですよね。 というのも、スターウォーズ旧三部作におけるレイアの役割というのは、綺麗でみんなの冒険のシンボルになったり攫われちゃったりするようないわゆる典型的なお姫様ではなくって、寧ろ育ちが良いくせに活動的でハチャメチャな鉄砲玉なヒロインなんですよ。 だから、そこに外見の美しさはそもそも必要とされていなくて、これは旧三部作の登場人物共通の特徴だと思うんですけど、その内面の魅力こそが要なんです。 ……え?まあルークはエピソード4でレイアを一目みて「綺麗だ……」とかいっちゃったりしますけど、そこはそれ、彼は永らく銀河のクソのゴミ溜めみたいな砂漠の星で多感な時期を過してたんで仕方ないんですよ。 っていうかまあ、不細工っていうこともないと思いますし。
そんな事を踏まえつつ、30年後のレイア姫を見てみても、本当に良い齢の重ね方をして、綺麗なお婆ちゃんになったなあって思う訳なんです。
……という所で、映画本編も中盤に差し掛かった所で、第二部終了! 次回はいよいよ作品のクライマックスについて、ガシガシ突っ込んでいきますよ!
第三回
*1:うる覚えだったのでロゴが映った記憶が捏造されてました……。
*2:もっともも、「フォースの覚醒」で舞台になっているのは違う惑星です。何故わかるのかというとタトゥイーンには二つの太陽があるんですが、この星にはない。今回はジャクーという星ですね
*3:調べてみると、スピンオフとかを追い掛けていると、ジャクーで帝国残党と新共和国が戦ったという話があるらしく、知っている人はニヤリと出来るみたい。
*4:正確にはその前に銀河帝国士官学校のエリート士官候補生だったのに、育ての親と同じ種族のチューバッカが虐待されているのを見過せずに庇った結果放校処分になった、という経緯があったりします。
*5:じゃ本当はないんですけど
*6:あっ、以下、ソロがちょっとでも出てくる場面では全部ソロが主語になります
*7:どうでもいい話ですが、エピソード4のDVDは、再生しはじめるとオルデランが爆破されてからおもむろにメニュー画面が表示される、という正に外道といった感じの演出がされています。
*8:フィンがセーバーを振ってみるシーンはクライマックスでも出て来ますが、その直後に今度はレイがちゃんと使い熟すので、フォースの使い手とそうでない物の歴然とした差がわかる訳です
*9:もっとも、エピソード3と4の間で記憶がリセットされてはいるんですが。