読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

風狂通信web

風狂奇談倶楽部の活動記録や雑考など

対決!刑事コロンボVS日高屋チキチキ10番勝負! 第3試合「二枚のドガの絵」vsW餃子定食(執筆者:白樺)

刑事コロンボ レビュー 日高屋 映画レビュー 悪ふざけ 白樺香澄

こんばんは!皆さんご無沙汰しています。白樺香澄です。

締め切り間近の新人賞の原稿をヒィヒィ言いながら書いてるうちに気付けば前回から一ヶ月も空いてしまいましたごめんなさい。

サークルの後輩に「正気なんですか?」と真顔で問われたこの企画も第3試合!

 

BS-TBSさんでの再放送がいよいよ始まり、

「二枚のドガの絵」は屈指の人気作だし、せっかくならBSでの放送に合わせて更新してTBSさんに大いに感謝されよう。そして次回の情熱大陸で白樺香澄ちゃんを取り上げてもらおうと思っているうちに、あら、もう『二枚のドガの絵』は放送されちゃったんですか、そうですか。しょんぼり。

 

……気を取り直してさっそく注文。「W餃子定食」(620円)がやってきました!

 

f:id:fukyo-murder:20151020141907j:plain

壮観です。熱々を一口でほおばるには勇気が要るビッグな餃子が12個!

 

おまけの小皿をキムチか唐揚げから選べるのですが、今回は「よりカロリー!」「より肉!」という私の人生の基本方針から迷わず唐揚げをチョイス。

 

ちょっと「解る人」ぶってみて、まずはメインの餃子をお醤油付けずに一口。

 

カリカリの焼き目がついた、もっちりと厚い皮の食感は文句なし。

中の具はおうちで作る餃子なんかに比べると少し淋しいかな?

でも、噛みしめると肉汁のコクと、キャベツ&ネギの甘みが濃厚なスープになって口いっぱいに広がります!これは美味しい!

 

少し冷めるとパリパリ感はなくなっちゃうものの、かわりに皮が具の脂とスープを吸ってもっちもちになり、味わいが変わってこれまたグッド!

中華屋さんぽい「皮が美味しい餃子」になるのです。

 

なるほどこれが、“ちょい飲み”ユーザーからも評判の高い日高屋さんの餃子なんですね!

……これを書いてる間にも、思い出して食べに行きたくなっちゃいます。

 

 

一点豪華主義対決」と銘打った今回の試合。

メインディッシュの華やかさでは、「二枚のドガの絵」も勿論、負けません!

本作のラストは、シリーズ中でも最も鮮やかなものの一つであり、あの「最後のコロンボさんのポーズ」が、初見時から強烈に印象に残っているというファンも多いのではないでしょうか。

 

 (ネタバレ反転)犯人以外の指紋が決定的証拠になる(反転終わり)というアクロバティックな「逆トリック」は、『コロンボ』の代名詞として後進のクリエイターたちに大きな影響を与え、今まで多くの作品にパクら引用されてきました。

 例えば、ぱっと思いつくだけでも『古畑任三郎』の「黒岩博士の恐怖」、『金田一少年の事件簿』の「獄門塾殺人事件」、『逆転裁判』の「盗まれた逆転」などなど……。コロンボはフリー素材。

 

ただし!私が声に出して言いたいのは、これらのオマージュ作品と、本家「二枚のドガの絵」では、「逆トリック」の意味が全く異なっていることなのです。

○○が付いたこと自体はあくまで「偶然」という筋書きの後続作品と違い、本作を観返してみると、コロンボさんは明らかに、「狙って」○○を付けにいってるんですね。

 

本作はシリーズ中でもかなり「対決感」の強いエピソードで、今回の犯人デイル・キングストンさん(しょっぱなから髭男爵みたいな恰好で登場!)ほど、コロンボさんに最初っから敵意剥き出しな人も珍しい気がします。

ただしそれは彼が短気な人だからではなく全て計算。

 

オープニングから殺人の発生までの最短記録(54秒!)を達成した本作ですが、コロンボさんが犯人に「宣戦布告」するまでも早い早い!登場してから7分で、「これは単なる強盗でなく、犯人は二人組で、屋敷に自由に出入りできる人間の中に共犯者がいる」ことをデイルさんに突きつけ、共犯者との連絡手段を絶ってしまうのです。

 

そこでデイルさんは、二度目の対決の時には声を荒げて怒ってみせ、コロンボさんに自分の家を家宅捜索するよう煽ります。彼の狙いは、「一度、捜索させて潔白を証明してからドガの絵を自宅に移す」ことにありました。

しかし、ハナからデイルさんを疑っているコロンボさんがその策略に気付かないはずありません。

そこで、家宅捜索ももう終わっているだろうとデイルさんが油断して絵を持ってくるのを待ち伏せしていた訳です。

当然、あの場面でコロンボさんは、あの手提げの中身がドガの絵だろうことは承知で(ただ、この時点ではデイルさんの狙いが解らず、決定的な証拠にはならないので)、泳がせておけば後で役立つはずと踏んで……と、バチバチ火花散らす攻防があっての、「あの名シーン」なのです!

 

さてさてW餃子定食。

定食部分は前回のニラレバ炒め定食と同じ内容。

しかし、今回はメインが餃子なので、大盛りご飯はちょっと炭水化物がトゥーマッチ。

唐揚げも、うーん……普通の冷凍食品の味で、取り立てて感動はなし。(おいしいけどね)

 

引っ張ってもしょうがないので、今夜は早めに決着を。

 

メインの餃子はとっても美味しかったんです。

ですが〈メインディッシュ以外の充実度〉では、これはもう圧倒的に「二枚のドガの絵」の勝利です!

 

この原稿を書くために久しぶりに観返して、以前は気づかなかった本作の脚本の巧さ、つまりデイル・キングストンという人物の「語られないドラマ」の豊かさに驚きました!

 

コロンボさんが最初に「単なる行きずりの強盗じゃない」と見抜いたポイントは、「なぜ犯人は一度、(マイナーでそれほど価値のない)バーンバウムの作品に手を伸ばしたのに、直後にドガの絵に目標を切り替えたのか」という不自然さでした。

 

これはつまり、壁にかかった絵を犯人が物色したように見せかける工作の際に、後々、警察に指紋などを調べられ、傷つけられることを恐れて「損傷しても構わない、どうでも良い絵」を選んで壁から外していることを示しています。

それがおかしいと気づきすらしなかったのか、あるいはリスクを承知の上で、それでも名画を損ねることのほうを恐れたのか。

 

デイルさんの犯行計画は、「絵がすべて」という、その極めて偏執狂的な価値観によって組み立てられています。

 

アリバイ工作の舞台になぜフランクリンの画廊を選んだか。

伯父を殺した直後の昂ぶった気分で訪れ、しかも警察から電話を受け次第、中座しなければならない。

だから彼は、絶対に自分に何の感動ももたらさないような、「どうでも良い」催しをあえて選んだに違いありません。「子供部屋の壁紙代わり」にしかならないような絵の展示会はうってつけだったのでしょう。

 

どうしてトレーシー・オコーナーを共犯者にしたのか。

最初から口封じに殺すことまで計画に入れていて、「死んでも構わない、絵の才能のない教え子」を共犯に選んだのだとしたら……考えすぎでしょうか?

 

彼の絵画への執着を際立たせる脚本の端々の描写や、名優ロス・マーティン(ピーター・フォークさんの芝居の師匠だったとか!)のファナティックな好演、そして日本語版では西沢利明さんの時にキザで時に憎々しげな声色が、「絵に魅せられた男」デイル・キングストンに強烈な個性と骨格を与えています。

 

また、犯人以外のキャラクターも可愛い人がいっぱい!

なんともお人好しでキャッキャとはしゃぐ姿が少女のような被害者の元妻・エドナさんや、生真面目な執事のエバンズさんなどメイン級のキャラはもちろん、デイルさんにボロクソに言われる画家のサム先生や、コロンボさんが聞き込みに行くアパートの大家さんなど端役の一人ひとりまで、印象に残るセリフ、シーンが用意されていて、みんなが魅力的に描かれています。

 

ちなみに“殺人現場に目立つ真っ赤な服にヒールの高い靴でやってくる馬鹿女” こと共犯者のトレーシーを演じているロザンナ・ホフマンさんは原作コンビのレビンソンさんの「カミさん」で、レビンソン&リンクが企画を手掛けた『ジェシカおばさんの事件簿』に何度かゲスト出演しているほか、『ベイブ』とかにも出ている女優さんです。

 

……ところで一つだけ気になったことが。

私の観たバージョンだと音声を一部、後から改変しているみたいで、おそらく元は「女房」と言ってたんだろうところを「うちのかみさん」に置き換えてるところが二箇所ほどあったのです。

「二枚のドガの絵」(というかファーストシーズン)の翻訳は飯島永昭先生で、「かみさん」訳でおなじみの額田やえ子先生は第二シーズンからの登板。

飯島先生はコロンボのノベライズも手掛けてらっしゃる翻訳家で、コロンボといえば「カミさん」だろってのは解りますが、こういう改竄はオリジナルの訳者に対して失礼じゃないのかなぁ……。

 

今回は「二枚のドガの絵」中心になっちゃってちょっとバランスが悪い回でした。

つづく第4試合は「パイルD-3の壁」VS味噌ラーメン!

いよいよ寒くなってきてラーメンの恋しい季節、ファーストシリーズ最終回の名作とは良い勝負になりそうです!

それでは皆さん、しーゆーねくすとたいむ!!